解説・総説

強は異なり: 電磁場の相転移と熱平衡下の量子もつれ

日本物理学会誌に解説が掲載 「多は異なり(More is Different)」という一言にあるように, 凝縮系物理学では, 粒子が多数いることで初めてあらわれる現象が本質的である. これになぞらえると, 光科学研究での「異」は, 共振器や非線形光学物質などを用いて, 高強度, 短パルス, 狭線幅, 広帯域などの「電磁波の性質」を高く制御し, その電磁波を物質に照射するなどして, 本質的に異なった現象の観測・発現・制御を探究することにある. 近年, この光科学研究から発展し, 電磁場が振動しない熱平衡下において, 電磁場の相転移や量子もつれを発現させることが, 新たな「異」として模索されている. そのための方策として, 超強結合(ultra-strong coupling…
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超放射相転移を示す物理系の探索

Abstract 光が物質によって屈折や反射するのと同じ原理に基づいて,ある温度を下回ると.光を構成する電場や磁場がどこからともなく現れたりする.この現象は超放射相転移と呼ばれ,40年以上前に提唱されたが,いまだ観測されたことのない幻の現象である.本研究では,超伝導物質で構成された回路であれば,超放射相転移の類似物を人工的に起こせることを理論的に発見した.本研究を推進していくことで,将来的に,熱から光への画期的なエネルギー変換技術などの開発を目指している. Full text 馬場 基彰 「超放射相転移を示す物理系の探索」 光科学技術研究振興財団 平成29年度研究表彰受賞講演抄録, pp. 4 – 7, 2018年2月 超放射相転移についての解説.光科学技術研…
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光と物質の超強結合:光子を量子とみなせるか?

『パリティ』誌に解説が掲載 光の粒子である「光子」のダイナミクスから,本来の「電場と磁場」の量子論に立ち戻る.量子光学や量子情報技術が,その必要に迫られつつある.他の研究分野を巻き込みながら,未知なる科学技術が探索され始めている. Full text 馬場基彰 「光と物質の超強結合:光子を量子とみなせるか?」 パリティ, Vo. 32, No. 11, pp. 35 – 40 (2017年11月号, 丸善出版)

光と物質の超強結合は電磁場と電荷を相転移させるか?

『固体物理』誌に解説が掲載 光と物質の超強結合によって,熱平衡下で静電磁場が自発的に生じることが1970年頃に指摘された.いまだ観測の報告がないこの超放射相転移と呼ばれる相転移は,当初想定された原子系では期待できないものの,最近になって,超伝導回路中の永久電流を静電磁場に見立てれば,類似の相転移を起こせることが理論的に見出された. Full text 馬場基彰 「光と物質の超強結合は電磁場と電荷を相転移させるか?」 固体物理, Vo. 52, No. 9, pp. 459-476 (2017年9月号, アグネ技術センター)